今月のひとこと2009年11月号





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2009年11月3日

急に寒くなって、冬並みになりました。 市場も急に冷え込んで1万円を大幅に割り込み、これから本格的な冬に向かうのでしょう。 日銀も2010年度は踊場になると言っています。 中国やインドもインフレの傾向が強く経済の舵取りがますます難しくなります。 昨日読んだ雑誌には、1ドル50円で日本浮上とか書いていました。 輸出はもちろん大変ですが、通貨が高くなって滅んだ国は無いそうです。 国の富が相対的に増えるのですから当然ですが、従来型の輸出依存それに従った円高恐怖から抜け出ることも考えないと過去の経験でこれからが通用するような状況では無くなっているような気がします。



こう言う観点では、民主党が言っている、円高何が悪い、内需拡大と言うのも今までに無かった政策で、ひょっとすると時代を先取りしているのかもしれません。 どっちにしても大変な時代なので、壮大な実験に付き合うか、と言う感じです。



マイクロソフト嫌いにも関わらず、最近のマイクロソフトの低姿勢を認めたわけでもないのですが、数年ぶりに我が家のPCシステムを一新しています。 と言ってもOSを思い切ってWindows7に切り替えようとしています。 切っ掛けは、XPと間違って買ってしまったVistaのPC。 実費の950円でWindows7に更新できると言うのにつられて、これを申し込みました。 さらにXPを再インストールしようと思っていたPCにエイとWindows7のアップグレード版を買ってインストールしました。 Vistaはインストールしただけで、1.5Gbも食いましたが、Windows7 は500Mbぐらいで、XPよりは食いますが、1GbのPCで十分動きました。



Windows7 のアップグレード版には、32ビット版とと64ビット版の2種類のDVDがありましたので、少し調べてみました。 結局は 64ビットにするメリットはあまり無いようです。 メモリ空間を4Gb以上とるのであれば、64ビットが必要ですが、普通は4Gbもあれば十分でしょう。 問題はドライバ。 下手に64ビットにして、必要なドライバが64ビットで無ければ、PCが使い物にならないので、32ビットが安心です。 速度もほとんど変わらないようです。 要するに本格的な64ビットのソフトウエアがほとんど存在しないのが原因でしょう。



問題となるソフトウエアの動作ですが、これはほとんど動くようですが、実際にインストールしてみると動かないソフトが一つだけあり、64ビット対応にするとまた余計な出費が必要になってきます。 どうもソフト屋さんの計略に引っかかっているようです。 気になっていたキーボード配列の変更は、問題なく動きました。 レジストリの構造が変わっているらしいので、レジストリに依存したものは、動かないものも出てくると思いますが、ほとんど影響は無いみたいです。 ただレジストリに絡んだアプリは、そのままではチェックに引っかかるので、右クリックして「管理者として実行」を選ぶと実行できます。



良いのか悪いのか、機器もどんどん安くなってきました。 1テラの外部ディスクが9000円ほど、1.5テラが15000円を割っています。 RAID5も良いのですが、ディスクが安くなってきたので、1.5テラを2台買って、片方を片方に自動でコピーして、ミラーディスクとして使っています。 これで3万円はまあまあではないでしょうか? RAID5でこの値段は無いと思います。 TVも最近は安くなって、50インチのプラズマが20万円ほど。 これにエコポイントともらうと17万ぐらいで手に入ります。 液晶だともう少し安いものがあります。 もっとも58インチとか64インチになると、急にこれの倍以上になってしまって、まだ価格の下落には至っていないようです。 ちなみに新しいTVを買って古いのをリサイクルするとこれにもエコポイントが付きます。 しかしメーカーに引き取ってもらって正規のリサイクル券をもらわないと駄目です。 時々回ってくる回収業者の領収書では駄目とエコポイントのサイトには掲載されていました。



HDMIによるブルーレイディーガとの連携もなかなか良くて、リモコンは相変わらず使いにくいものの、一つのリモコンでべ便利に使えます。 ただacTVilaはイマイチ。 見たい番組がほとんど無い。ネットとの融合でハードはあるがソフトがイマイチと言う実感です。 TVも何でも良いのですが、SDカード、AVCHDによるハイビジョンビデオ圧縮、ビデオカメラ、デジカメなどの連携はそれなりにオープンで使えるので、以前のSONYのような窮屈さは大分減った感じです。 これが良く売れている理由ではないでしょうか。



液晶のPC用のディスプレイも安くなってきました。 大きな重いブラウン管式のディスプレイが嘘のようです。 ブラウン管式の通常のものの最大は、1600×1200ドットでしたが、最近の液晶は、1920×1200もあります。 気をつけないといけないのは、安いものはTVの液晶の流用なので、1920×1080になってしまっていて、少々使いにくいと思います。



今月の読み物は血税空港 本日も遠く高く不便な空の便 (幻冬舎新書) 森 功 著¥798。 ちょうど話題になっているところですが、読めば読むほど構造が道路とそっくりなのが良く分かります。 本書が出版されたのが今年の5月ですから、JAL/空港問題が話題にもならなかった時のものですが、その問題点は現時点で書かれたものとしても十分にうなずけるものです。 それにしてもこの狭い日本に空港が100近く、つまり各都道府県あたり2つもあると言うのは、少し異常だと思います。 アメリカみたいにセスナが自力で離着陸するようなものではなくて、本格的なものがあると言うのは驚き。 以前に緊急で大阪から長野に行かなければならなかったときに、いろいろ探したのですが、まともなフライトが無い。 結局列車で行ったことを思い出しました。 また、関空や伊丹や羽田、成田がハブになっていないので、とんでもないところと直接の便があるのも異常。 アメリカの感覚だと、とにかくUAならシカゴかデンバーに行けば後はローカルの飛行機で何とかなる、と言う感じですが、100近くある空港のほどんどは、大型の飛行機が離着陸できる規模だそうです。 YS-11 とまでも行かずに、20人乗りの飛行機がどんどん飛べば良いのではないでしょうか? これならパイロット2人スチュワーデス1人で、機体の償却も少なく、バスに毛の生えた程度で運行できるのではないでしょうか。



今月のひとこと2009年10月号





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2009年10月4日

とうとう株価も下がり、想定の2番底に入ってきました。 アメリカの自動車販売の補助金切れと日本の民主党のゴタゴタが陰を落としています。 モラトリアムも良いのですが、海外からどう見られているのか、どう見られるのかの視点が少しなさすぎると思います。 ハゲタカファンドも良いのですが、経済は良きにつけ悪きにつけグローバルで動いている事をもう少し金融大臣は意識しないといけないと思います。 



確かに世の中は政府が支援しないといけない状況ですが、自民党まで社会主義的になってはいけないでしょう。 真正の保守として、自主自立、小さな政府、減税、国防、教育などの重視で再生してほしいものです。 民主党のマネをしていては、政権交代は望み薄です。



民主党は良い悪いはありますが、スピード感があります、大事なことです。 本当の問題はこれからですが、滑り出しとしては、まあまあのスタートでは無いでしょうか。 反面、自民党はガタガタで、65%の人が期待をしているのに、「みんなでやろうぜ」は無いと思います。 如何に内部しか見ていないのか良く分かりました。 真正の保守政党を望みますね。 今のままでは民主党の亜流、単にいちゃもんを付けるだけの、単なる何でも反対の野党です。 もっとも麻生内閣の時から言っていることは野党でしたからね。



それにしても中国の建国60年はすごいですね。 意気込みがすごい。 多少と言うか共産党独裁の共産主義国家をと言うのを忘れていまいます。 かたや日本は、民主党で良きにつけ悪きにつけ、社会主義的な要素が強いですから、どっちがどっち? と言いたくなります。 少なくとも現時点では、中国の方が遙かに自由経済、資本主義的です。 また凄いパワーで多少の問題は弾き飛ばす勢いです。 日本で小さな問題でごたごた言っているのが本当に歯がゆいです。 国内でごちゃごちゃやっているうちに、隣ではとんでもなく大きなパワーでこちらに関係なく突き進んでいるという感じです。



最近、こう言う文章を入力するツールとして、話題のポメラをとうとう買いました。 買ってみた感想を少し。  まず開き方が分からない。 左のボタンを押せば良いのだが、マニュアルにもかかれていない。 やっと開くとメニューボタンがあって、まあまあ最低限のシンプルなメニューがあってこれはOK。 変換がMS-IMEとATOKが選択になっているが、細かい設定だけみたいで、MSーIMEのイライラする変換は無くなっっている。 ただ変換の反応が少し遅い。 変換してもすぐに変換しないのは、慣れるまで少しかかります。 MicroSDにデフォルトで入らない、USBは本体メモリだけで、100Kしかないとか、洗練さがまだ足りないですね。 



確かに、開いて電源を入れたらすぐに使えるのは、非常に良いです。 しかし、全体の作りは、家電を見慣れていると違和感がイッパイ。  まず最初の外観からしてビスが4本バンと出ているのにはびっくり。 開いてもビスだらけ。 素人の設計は分かるが、折りたたみのキーボードで手イッパイと言う感じがします。 家電専業ならもっとスマートに作るでしょう。 デザインもイマイチで、製品としての完成度は低いと思います。 しかし次のバージョンが、みものですね。 このバージョンのシンプルさをどのように継承するかがポイントです。 それなりにバランスが取れていますので、一ついじると全体がファットになってしまうでしょう。 



値段も15,000円で買いましたが、少し高い気がします。 新品のPCが5万円である時代に少し高い。 9800円とかですと納得できます。 次機種に期待というか、興味津々です。 これ以上削るところが無いので、付け加えるしかないので、これをどうするか? 開発責任者の力量が真に問われます。



新製品と言うのは最初は大成功か小成功かは別にして大体成功します。 これで成功しないのは、余程出来が悪かったので、評価に値しません。 しがらみの無い製品を作るので、成功するはずなんです。 問題はこれからです。 大成功すればするほど、今までなかったしがらみが出来て、次が難しい。 いろんな要求が営業や経営から出てきます。 自分でも自信が出来ます。 このような中で、力の抜いた製品を作るのは、至難の業。 経験から言うと、自力では不可能です。 何らかの外部要因で、たまたま力の抜けたものを作らないといけない状況になって初めて実現します。 本当の成功は3番目の製品です。 これが事業の柱になって事業がまとまっていきます。 ちなみに最初のしがらみのないバランスの良い製品を私は「ゼロ戦」と呼んでいます。 ゼロ戦もゼロ戦で終わりました。



と今までの文章は、ポメラで入れたのですが、変換が遅い点を除いて、PCと遜色ない使い勝手です。 多少はキーボードが小さいとかストロークが無とかですが、まあまあ使えると思います。 ちなみに私は、日記をつけるために買いました。 以前はPCで入れていたのですが、イチイチ立ち上げるのも面倒で、3ー4年前からノートに手書きにしたのですが、紛失の恐怖と検索が出来ないので、PCに戻そうかと思っていたところでした。 



今月の読み物は、首相の蹉跌―ポスト小泉 権力の黄昏(単行本) 清水 真人著 ¥1,995 小泉政権から福田政権まで、その裏側を克明に記録しています。 やはり小泉政権で自民党は壊れていたんですね。 その前からもおかしくなっていたのですが、この時に決定的になって、その後の政権はおまけだった事がよく分かります。 最近の本の中では一気に読んだ数少ない本です。



安倍晋三、福田康夫はなぜ1年で最高権力の座を投げ出したのか。宰相たちの失敗の本質はどこにあるのか。首相という最高権力のマネジメントの検証作業を通して、日本の政党政治のシステムとその「ゲームのルール」を読み解く。



【書評より】 評者 上智大学准教授 中里 透

 リーマンショックをきっかけとしてさまざまな分野で巻き戻しが進行したが、日本の政治もその一つであろう。迷走する永田町の光景を見ていると、日本は「失われた10年」に逆戻りしてしまったかのようだ。



 もっとも、永田町が「逆コース」をたどり始めた主因は、金融危機というよりは「ポスト小泉」の政権運営の失敗にある。本書は、安倍・福田両内閣のもとでの政治過程の検証を通じて、「官邸主導はなぜ自壊したのか」という問いに解答を与えようとする試みである。



 官邸主導という永田町の新しいビジネスモデルは、小選挙区制の導入と内閣機能の強化という制度変化によって生まれたものだ。この変化のもとで官邸主導という新しい政治手法を確立したのは小泉純一郎という「強い首相」であった。だが、党内と世論の圧倒的な支持を得て後を引き継いだ安倍総理は、小泉政治と小泉改革の継承に失敗してしまった。



 本書によれば、安倍内閣の「失敗の本質」は「反マニフェスト性」とガバナンスの欠如にある。理念先行であいまいな「美しい国」は国民に広く支持されるものとはなり得なかった。あらゆる政策課題を官邸が抱え込む「なんでも官邸団」は懸案処理の停滞をまねいた。大臣と首相補佐官による「二重行政」は指揮命令系統の混乱を引き起こした。こうした中で安倍内閣は急速に国民の支持を失い、自滅したのである。



 振り返ってみると「ポスト小泉」の最初のつまずきの石は郵政造反組の復党問題であった。「脱小泉」が進んでも郵政民営化という石が消えてなくなったわけではなく、日本郵政の人事という形で麻生内閣の進路のすぐ目の前に転がっている。本書は日本の政治の今後を考えるうえでも有益な一冊といえる。










今月のひとこと2009年9月号





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2009年9月8日
今月はオオボケをかましてしまいました。 夏の暑さと選挙騒ぎで更新を失念しておりました。 株価は冴えませんが、世の中は政権交代一色です。 右から左に大きく揺れて、国民の選挙なんていい加減なものでムードに左右されてしまうんだ、と言う論調がありますが、これには大いに異論があります。 また国民を馬鹿にするからこう言うことになるんだと言う事がまだ分かっていない政治家や評論家が多すぎますよね。 確かに小選挙区制の中では少しの票の動きが大きな議席の差になって現れてきますが、これが本来の小選挙区制の目的であったはずです。

最近の、IT関連の話題で大きなのは円周率であるπ計算桁数の世界記録樹立です。 世界的に日本のスパコンの性能順位が下がってきている中で、従来比で2倍以上の記録が出ました。 計算したのは筑波大学計算科学研究センターで、同大のスーパーコンピュータ「TK2筑波システム」を用いて円周率を小数点以下2兆5769億8037万桁を計算し、世界記録としてギネスブックに申請したそうです。 アルゴリズムには、ガウス・ルジャンドルアルゴリズムとボールウェインの4次の収束アルゴリズムを採用。主記録容量は13.5TBとなったとのこと。 従来の記録は、東京大と日立製作所が2002年に達成した1兆2411億桁で計算に約600時間かかった。

プログラムはシングルジョブ実行環境で実行し、648台の計算ノード(1ノード当たりの浮動小数点演算理論最大実行性能は1472GFLOPS。全体では95.4TFLOPS)のうち、640台を使用する並列計算として処理が行われ、約73時間36分で計算できたとのことで、意外に速く計算できるものです。 問題は、正しく計算できるかどうかで、2つ異なるアルゴリズムによる計算で一致した桁まで公表したとのことで、実際はもっと多くの桁が計算されているみたいです。

円周率の世界記録は良いとして、同じところをぐるぐる回っているのではないかと思われる政治の世界に戻ると、小泉内閣からの流れは少しも変わっていないと思います。 国民はチェンジを望んでいるのです。 前回の総選挙を郵政選挙と言いますが、郵政民営化の政策に賛成した人はほとんど少数で大多数は自民党をぶっ壊すというフレーズに乗ったのではないですか。
今回も世論調査で子供手当てに半分近くの人が反対、高速道路無料化には65%が反対です。 それでは何故民主党に入れたのか? 何もムードではなくて、政権交代それ1点だったのではないでしょうか。 「不満」と「不安」、このうちの「不安」のリスクを文句なしに選択したのだと思います。

そう言う意味では、4年以上前に一度、仮想的な政権交代が起きていたんです。 しかしその後がまた元に戻ろうとしたので、それを引き戻したということでしょう。 大きく揺れたといいますが、基本的な流れは変わっていないと思います。

国家戦略局構想も、基本的な考え方は小泉内閣の経済諮問会議と同じです。 この諮問会議は経済中心でしたが、戦略局は外交とかも含んだより包括的なものとなると思います。 よく権力の2重構造といいますが、従来の仕組みは内閣と党が2重権力になっていて、その間の摩擦を官僚がうまく取り仕切って、それが定着したところに問題があると思います。 従って権力の2重構造は新しいものではないでしょう。 問題は、この戦略局に少なくとも政策の決定権が一元化できるかどうかです。

戦略局=内閣は良いとして下手すると、民主党、連立協議機関と3鼎立して身動きが付かなくなってしまいます。 連立協議が進まないのは、社民党の問題ではなくて、政策決定がバラバラになることの方が問題です。 戦略局は、竹中さんみたいに菅さんがガンガンやれるかと言う点に尽きるのではないでしょうか。

後は小沢さん、今回の選挙で意外に職人だと思いました。 職人といって良くなければ参謀。 あれだけの選挙ときちんとまとめて、自民党の弱いところをキチンと突いている。 確かに敵にすると物凄く嫌な人です。 自分は総理にならない、と従来言っていましたが、これが本音と言うことが良く分かりました。 これからは、小沢チルドレンを含めた政治勢力をどうコントロールしていくのか、ここで最後の真価が問われるところです。

民主党は、内政はいろいろ問題があるものの、まあ良いとして、外交がまったく駄目ですね。 岡田外相は本当にうまく嵌めたと思いますが、あまりにうまく行っているので本人も周りも表立って文句は言えないでしょう。 どう言う選挙協力の約束をしたのか分かりませんが、社民党が居る限り、大胆な政策は取れないでしょう。 幸か不幸かアメリカでは日本への関心が高まっていますので、ここでキチンとした外交政策を出す良いタイミングだと思います。 感覚では、韓国のノムヒョン大統領と同一視されているような感じがします。

今月の読み物は新撰組顛末記 (新人物文庫) 永倉新八著 ¥700。 新撰組の幹部で、切り合いを実際にやっていた本人の言葉(聞き取りらしい)が衝撃です。 本人が行っていない場面はごっそり抜けていたりしますが、刀を持つ写真など、そんなに遠くない時代にこう言う事が起きていたんだと身近になります。

新選組の副長助勤となり、のちに二番組長を兼任した新八は、近藤勇らとともに池田屋へ斬り込んだ。新選組随一の遣い手として幾多の戦闘に加わり、十三人の大幹部のうち、ただ一人生き残った。北海道に渡り小樽に住んだ新八は、孫たちを相手に新選組の懐旧談を語り、記録に綴る晩年を送るが、大正二年(一九一三)三月から、『小樽新聞』記者の取材に応じて語った連載をまとめたのが本書である。近藤勇や土方歳三らとの交友、池田屋の乱闘、血の粛清など、幕末動乱の修羅場をくぐりぬけた者のみが知る生々しい証言が語られている。「BOOK」データベースより。






今月のひとこと2009年8月号





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2009年8月1日
今年の夏は、なかなか梅雨が終わらないと思っていたら、とうとう8月になってしまって、どうやら冷夏のようですね。 このようだと夏商戦も不発に終わって、秋が心配になります。 秋から冬に掛けては、新型インフルエンザの大流行もあり憂鬱になってきます。

株価は先日から上がってきて、再び日経平均も1万円を超えましたが、足元の実体経済がイマイチ、スッキリ立ち上がらないので弱気になってきているのではないでしょうか。 やっと解散と総選挙もハッキリして、政権交代まで秒読みに入った感じですが、民主党は党名のとおりですが、自民党までが社民的な政策がどんどん出てきて、このままだと社会主義の国になってしまうのではないかと思うほどです。 いつかテレビで竹中平蔵が言っていましたが、アメリカでは大きな政府か小さな政府と言う議論だが、日本では資本主義か社会主義かの議論になりつつあるとのこと。

アメリカ型の低負担の自由経済資本主義なのか、ヨーロッパ型の高負担の社民主義なのか、はたまたその中間を目指すのか、この辺のビジョンをキチンと示して欲しいと思います。 これ抜きでいくらいくらお金をあげます、ではバラマキと言われてもしょうがないでしょう。

恐らく民主党が勝って政権交代は実現するものの、官僚との摩擦で行き詰まり、政界再編にたどり着くのではないでしょうか。 またそうならないと日本の将来は無いでしょう。 当面は中国に頼る形で経済はゆっくり回復するでしょうが、アメリカと中国の狭間で良い様に利用されないようにすべきでしょう。

最近のもっとも大きな話題は、日蝕でした。 当日は、会議しながら外を見ていたのですが、少し暗くなったので、もう少し暗くなると思っていると終わっていました。 結局曇り空でも少しは見えたはずですが、目撃する事は出来ませんでした。 悪石島では大雨。 やはり船で硫黄島付近まで行ったのが正解でしょう。

太陽と月と地球の関係を考えると、日蝕と言うのは、物凄く不思議ですね。 そもそも月は地球の1/3くらいあって、衛星としては異例の大きさです。 成因は、地球に小惑星が衝突した衝撃で地球の一部が吹き飛ばされて月になったという事らしいです。 以前はこの説は少数派でしたが、最近ではほとんどの専門家がこう考えているようです。 それはともかく、地球から見て太陽と同じ視野角にキッチリなっていると言うのが不思議です。 偶然にしては出来すぎている。 高等生命体(あくまで人間のような高等生命体を言い、バクテリアなどは高等生命ではない)を生み出すのに海さらには月が大きな役割を占めているというのは周知ですが、さらに日蝕を生じるような大きさと距離と密度、つまり現実の月そのものが、高等生命体の発生に必須ではなかったのか、と思っています。

海の潮汐が生命体の発生に深く関わっており、この潮汐が月と太陽の引力で生じている事は良く知られています。 恐らくこのバランスが非常に微妙に作用するのではないか、ちょうど日蝕が起きるような関係が必須ではないのか、と思います。 さらには月が表面を地球に向けてしか公転していない、つまり公転と自転が同じであることも、何か関連があるのかもしれません。 太陽と月が同じ回転面にあるのは、物理法則で説明できますが、微妙な距離の差で、皆既日食になったり、金環食になったりするほどの、視野角の一致は偶然では説明しきれないと思っています。 おそらく、宇宙に他の高等生命体が存在するとすると、彼らや彼女らは、われわれと同じように月を愛でて、時には日蝕を見て恐れ、時間と共に科学的な説明をしているのではないでしょうか。

最近のIT分野の話題は、ツイッター(つぶやきと言う意味)でしょう。 オバマ大統領が選挙戦の時に利用した事で、ブームに火がついた感じです。 日本でも、使っている政治家が出てきて、ちょっとした話題になっています。 使い方はこちらです。 Blogが最初に出てきたときは、何でこんなものが面白いのか、と思いましたが、利用者が増えるに従っていろいろなバリエーションが必要になったという事でしょう。 Webサイトの更新が面倒と言う事で、Blogが生まれました。 同時に音声通話をするほどのこともないが、メールではリアルタイム性がないと言うことで、チャットが生まれました。 今回のツイッターは、この間を埋めるような、いわば公開チャットのようなものです。 誰かの発言に、チャットのような手軽さでフォローする事が出来ます。 また、簡単にアプリケーションを構築する事が出来るようで、ToDoListをツイッターで使うと言う事も出来るようです。 もちろんケータイからも使えるので、Blogのコメントを拡張したものと思ってよいのではないでしょうか。

今月の読み物「脱・官僚政権」樹立宣言 霞が関と闘うふたりの政治家(単行本) 渡辺 喜美著、江田 憲司著 ¥ 1,575。 大分前にこれが話題になったときに買った物ですが、内容は対談形式のもの。 江田憲司氏は、元通産官僚なので良いとしても、渡辺喜美氏はいろいろよく知ってますね。 金融担当大臣もやったことがあって、その時は何で?と思ったのですが、この分野は得意なんですね。 全体に、現状認識はまともで提案もまともと思いますが、どうやって実現するのかが問題ですね。 さるTV番組なんかでは、政治の分野の議論はまあまあまともなのですが、経済になると全くの無知。 特に政治評論家と称している人は無茶苦茶なことを言っています。 これに比べると(比べるほうがおかしいのでしょうが)無茶苦茶まともで、逆にまともすぎてしらけてしまうようなところがあります。 国民運動からスタートするのも良いですが、政治勢力を作るというのは如何に難しいかですね。 政治勢力が無いと何も出来ません。

内容紹介 日本を蝕む「官僚支配」から脱出せよ
麻生政権は官僚支配政権だ。自民党と決別した渡辺喜美、脱藩官僚のリーダー江田憲司、長年、霞が関と闘ってきたふたりが、選挙を目前に「第3極」の旗を立てる。 内容(「BOOK」データベースより)
自民でも民主でもない「第3極」の旗を立てろ。政治の迷走、経済の混乱を「霞が関」は笑っている。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
渡辺 喜美 1952年3月、栃木県生まれ。早稲田大学政経学部、中央大学法学部卒。父である故渡辺美智雄氏の秘書として通産相・外相秘書官を歴任。96年、衆議院選挙で初当選。金融関連の法案成立などに活躍、「政策新人類」と称された。06年12月、安倍政権の行政改革・規制改革担当大臣に。07年8月、金融担当大臣との兼任になる。09年1月、自民党を離党した
江田 憲司 1956年4月、岡山県生まれ。79年、東京大学法学部卒業後、通商産業省(現経済産業省)入省。ハーバード大学研究員、経済協力室長、通産大臣秘書官などを経て、96年、橋本内閣発足と共に総理大臣秘書官(政治・行革担当)に就任、橋本行革の司令塔として活躍。98年、橋本内閣総辞職と同時に退職。02年、衆議院議員に初当選。現在、2期目(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

今月のひとこと2009年7月号





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7月2日
市場はダラダラ相場が続いています。 在庫調整はともかく、流石に雇用、設備投資は時間がかかります。 順調に行っても、恐らく来年の後半までかかると思います。 それにしても中国は元気です。 運も良くて、来年の上海万博まで持たせれば、その後は波に乗れるのではないでしょうか。

いつかTVで紹介されていましたが、上海の西方の太湖の水質汚染がひどくて、アオコが大量発生しているとの事ですが、政府は排水を垂れ流していた、沿岸の数千の化学工場を強制的に閉鎖させてしまったそうです。 先日も1年前には無かった道路があっという間に出来ていて、景観が大幅に変わっていました。 流石は独裁政府ですね。 日本と比較して見ていると、民主主義の悪いところ、独裁主義の良いところだけが噴出している感じです。 いずれにしても非常事態ですから、強権的な方が適しているのでしょう。

上海の地下鉄は、だいぶ以前に出来ましたが、今度は隣接する都市にも地下鉄の計画があって、既に工事が始まっていました。 これもアッと言う間に出来上がるのでは、と思っています。 今までは沿岸部の主要都市だけが発展していると思っていましたが、沿岸部の中小都市や内陸部の主要都市に発展が広がっている感じです。

また、資産のストックが出来つつある中国では、いまやリゾートブームです。 いつかどこかで見たような、リゾートや別荘が沢山作られています。 それも1億円以上するものばかりで、誰が買うのか? と思っていたら、完成前に完売だそうです。 これだけ資産のある人が居るんですね。 もちろん投資目的の所有もあると思います。 ここだけ見たら、日本は全く負けてます。

IT関連の話題は、ファイル共有です。 最近は複数のPCを持っていたり、デジカメで撮った写真を友人と共有したいと言うニーズが増えてきたのか、こう言うシステムがチラホラ出てきました。 先日某大新聞の日曜版で紹介されていたので、早速やってみました。 これは、主に1人が複数のPCを場所の違うところに持っていて、その間のデータ共有をするものです。

クライアントソフトをインストールするのが、少しセキュリティ上不安ですが、インストールして見ると、マイドキュメントのなかに、共有するフォルダが出来ていました。 このフォルダでデータを共有します。 他のPCでは同じクライアントをインストールして、同じIDパスワードでログインしておけばよいとの事。 PCからアップした段階で暗号化されるので、サーバーを覗き見されたら、と言うような心配は無いとの事ですが、実際は分かりません。 2ギガバイトまで無料で、それ以上は有料。 また、現在は英語版しかありません。

フォルダレベルで共有すると面白いのは、アプリケーションに依存せずに共有が出来ます。 例えば、メーラーのデータフォルダを、この共有フォルダに指定しておくと、どのPCからでも同じように、一度ダウンロードしたメールをどこでもアクセスできます。 また、ワードのデフォルトフォルダに指定しておくと、どこでも格納したデータを参照できます。

この分野の老舗の宅ファイル便は、いまでは業界標準になってしまって、業務でも使っているケースがあります。 無料なので、欠点は、50メガバイトまで、同時送信は3人まで、保存期間は72時間まで、と言うような制限があります。

今月の読み物は、あっと驚く!「高給」「薄給」の真実 (宝島SUGOI文庫 A へ 1-98) ¥480 です。 中国人の資産の多さにびっくりしていた所に、こう言う本があったので、思わず買ってしまいました。 それこそあっと言う間に読めますので、週刊誌を読むつもりで読んで見てください。

内容紹介
4000万円の寄付金と年間1000万円の授業料で、私大医学部を卒業したはいいが、年収700万円。
オホーツクの寒村で、ホタテの貝柱で時ならぬゴールドラッシュ、平均年収は2000万円。
「本当はガッポリ」の人は、静かに働いています。「実はカツカツ」の人も、余計なことは言いません。
「いったい、本当のところはどうなんだ?」という、9割の興味とほんの少しの正義をもって、本書はその隠された世界に光を当てます。
※本書は2006年12月に刊行した「別冊宝島1368 人生が変わる「高給」「薄給」本当の話」を改題・改訂し、文庫化したものです。


今月のひとこと2009年6月号




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6月1日
やっと在庫調整にも目処が付き、少しはほっとした感じがありますが、雇用統計では求人倍率が最低を示したとのことで、雇用関連は少し景気より遅れますので、まあこんなもんかと言うところでしょう。 しかし、これから本当に上がっていくのか? と言うと上がってもダラダラではないでしょうか。 また、嵐の後は元通りには普及しないのではないでしょう。

アメリカのGMがチャプター11を6月1日にでも申請するのではと報道されています。 さっさとやれば良いのにと思うのですが、いろいろ交渉プロセスがあるみたいで、やっと申請に漕ぎ着けるようです。 日本の会社更生法と違って再生を目的にしますので、経営は非常にやりやすくなると思います。 アメリカの大手の航空会社はほとんどが申請の経験があり、その間にも飛行機がストップしたという話は聞いた事がありません。 日本では悲観的な論調が多いですが、中期的にはGood News だと思います。

先週のサンプロ番組の加藤・竹中論争は面白かったですね。 加藤さんの言っている事はヨーロッパの社民と同じで、何でこんな人が自民党に居れるのか不思議です。 まあ片や民主党も旧社会党を含んでいますので、日本の政治はどこもかしこもファジーなんですね。 竹中さんはいつもながら明快で、市場原理主義と言われて反論。 あれだけ言われて銀行に介入したのがどこが市場原理主義なんだ。 本当の保守のブッシュが、市場介入に非常に後ろ向きだったのが印象に残っていますが、これが本当の保守なんでしょうね。

自己責任主義、市場優先、小さな政府などなど。 それに比べると日本はどこかファジーで、竹中さんの方が余程保守本流みたいに見えます。 それにしても税収を上回る国債を発行して、元々危うい財政がますます怪しくなります。 もっとも、国の財政を家庭の借金と類似させるのは、財務省の手なのか、間違った想定を植えつけます。 むしろその家の主人が奥さんに多額のお金を借りているようなもので、その家トータルでは特に借金はないのです。 住宅ローンと類似させるのは何か意図を感じますね。

行き詰った最後は国家的な徳政令つまり借金(国債)棒引きです。 国債が文字通りタダの紙切れに。 もっと簡単なのは、預金封鎖。 個人金融資産が1500兆円もあるので、これを一気にチャラにしたら解決。 幸いアメリカと違って日本国債の海外保有率は極めて少ないのです。 よかった・・ だけど自分の預金が・・ だからタンス預金なんですね。 しかしこれも新円を発行して、旧円を無効にしたらおしまいです。 いずれにしても、現物のキャッシュは全体から見たらわずかなもので、本格的には日本以外の銀行口座に追跡できないように送金しておくのが良いでしょうが、合法的には不可能です。

これから何が起きるのかと言うと、これまでは必ずインフレになると思っていて、アメリカの経済学者でもそういう人がいますが、日本の経験ではそうならなかったですね。 世界的に少し金余りになりましたが、起こった事は、アメリカの住宅バブル、原油のバブル、資源のバブルが起こったのでした。 みんなの頭の中にあるインフレと言うのはこれからしばらくは起こらないのでしょう。 現在世界的に金余りが加速していますので、これから何が起きるのか良く良く見ておきましょう。

もしインフレになったら、財政は安泰です。 名目の税収が増えて、国債の価格が下落します。 政府は喜び国債を持っている人は価格が下落しますし、満期で償還しても、貨幣価値は下がっているでしょう。 まあだけど、ましなシナリオです。 これだけお金をジャブジャブ出してインフレになったらどうするんだ! と言う人がいますが、どこが悪いの? とみんな思っているんです。

最悪はデフレが進行することです。 過去の例でもひどいのは良く分かったと思いますが、有効な治療法がない、名目の税収が減る、 しかし利払いは必要で、利払いが税収を上回ると国家のデフォルトになります。 1000兆になったとして(数年でなってしまう)、その3%は30兆円です。 税収のあらかたが利払いで消えることになります。 従って最後は消費税です。 いずれにしても税であろうと保険金であろうと誰かが負担しないといけないのです。

今回は少し余裕が出たので、延々と少し将来のことを考えた事をかいてみました。 ITの分野では、最近懐かしい名前を見ました。 マセマティカのウルフラムです。 何でもGoogleの先を行く質問形式の検索エンジンを開発したとの事。 英語版がリリースされているとの事ですが、なかなか答えてくれないとのこと。

マセマティカは、数式を可視化するソフトで、例えばややこしい理論物理の数式をビジュアル化して見せるというような事に使われています。 一番最初にワークステーションを作ったときは、これを動かすのが目的でしたが、実現せずに終わってしまって、現在は通常のPCで動作します。 これのセールスとやっていた人と確か会ったこともありました。 Googleのときも、検索エンジンはこれで終わりか、と思っていましたので、やられた! と思いました。

それにしても、Google は全世界の知識をDB化すると言うすごい目標を持っています。 これは私が思うには、宗教的な背景が大きいと思います。 やはり全知全能の神が存在、偏在かもしれませんが、すると言うのは、ものを考える上で物凄い制約と言うか、規範になります。 誰か知らんがそんなものがあるのなら、それに近づいてみようと思う要になるでしょう。 湯川秀樹や日本の物理学者が3と言う数字に違和感があったので、クオークに乗り損ねたんですね。 湯川博士の中間子は、そのせいではないですが、クオークが2つでした。 運命的ですね。 益川さんの先生の、ノーベル賞をとり損ねて死去してしまった名古屋大学の坂田昌三博士は、八道説でしたから。

今月の読み物は、徴税権力―国税庁の研究 (文春文庫) 落合 博実 著¥550 です。 あまり期待せずに読み出したのですが、まあ良くここまで書いたと思いました。 あとがき代わりの立花隆との対談がなければ、フィクションかと思いました。 流石に情報提供者は既に鬼界に入っておられる様で、そうでなければ大変な事です。 政治家の介入、金丸信から、そんなイメージが無い小泉元首相まで、大企業、マスコミへの対応。 最後は創価学会との関連。

国税庁とは何か。元朝日新聞記者として長年同庁を担当し数々のスクープをものにして名を馳せた著者が、徴税機関が有する「巨額マネーを巡る情報収集力」という視点から、その強みや問題点を解き明かしていく。同庁については「秘密主義の官庁の中でもガードの堅さは群を抜いている」と指摘しながらも、内部の協力者から得た極秘扱いの「内部文書」を紹介するなどして、脱税事件の舞台裏にも迫る。

同庁の情報収集力と資料分析力は、「最強の捜査陣」と喧伝される検察庁をもしのぐと著者は言う。例えば1993年に起きた「金丸事件」。自由民主党元副総裁・金丸信氏の巨額脱税を摘発した同庁査察官の手腕を振り返る。

その一方で「与党と一体となって行政を進める大蔵省(現財務省)の外局にすぎない国税庁は、有力政治家からの圧力に弱い。(本件の成果は)やはり例外中の例外であった」とも論じる。「永田町からの圧力」により、脱税事件が単なる申告漏れとして処理された事例も少なくないと言い、事件としての立件に執念を燃やす地検特捜部との間に確執が生じることもあったと指摘する。例えば、91年の地産グループ総帥による43億円の申告漏れなど、政治家が同庁の調査に介入したケースを関係者の実名を挙げて告発する。
(日経ビジネス 2007/03/26 Copyrightc2001 日経BP企画..All rights reserved.)

内容(「BOOK」データベースより)
五万人を超す組織が日々絶え間なく、個人や企業の経済取引や資産形成など金の動きに眼を光らせている。そこには膨大な「マネー情報」が集積されていた。国税庁はその比類ない機能により独特の凄みと嫌らしさを兼ね備えた組織だった。極秘資料を満載!スクープ記者30年の取材成果がここに―。

内容(「BOOK」データベースより)
膨大な「マネー情報」が集積される国税庁。その内情に相当程度に踏み込めたのは、長年の取材活動で当局の「内部文書」を入手できたことが大きい。漏洩すれば国家公務員法に問われかねない危険な極秘資料を、敢えて提供してくれた国税庁や国税局の幹部と職員。スクープ記者30年の取材成果がここに結実する。

立場上財務省の一外局にすぎず、世の関心もけっして高くはない国税庁。だが、その素顔は、警察・検察にまさるとも劣らぬ巨大な情報収集力を秘め、あらゆる国民のうえに君臨する一大権力機構である。本書は朝日新聞記者時代、国税庁担当として幾多のスクープを飛ばしてきた著者が、秘蔵資料を縦横に駆使し、“税の総本山”の全貌をはじめて白日のもとにさらす、全納税者必読の書。政治家、大企業、新興宗教、マスコミとマルサたちの知られざる暗闘をスリリングに描き出している。(UH)