今月のひとこと2007年2月号


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2月8日

今月は大変更新が遅くなりました。 忙しくて遅れたのは滅多に無いことです。 株価も上向いてきて、そろそろ再開を狙っている方も多いと思います。 インド株が好調。 もちろん直に買うことは難しいので、ファンドになりますが、あの高いファンド手数料を差し引いてもかなりの利益が見込めます。 尤もインドの成長も限界が来ていると言う人もおり、いつもながら話題になった時は下り坂です。



昨年12月末の台湾南部沖の地震はあんまり注目を浴びませんでしたが、インターネットには深刻な影響があったようです。 注文したものがギリギリ年末に入る予定が、年明けになっても入ってきませんでした。 12月の地震では合計6本の海底ケーブルが損傷を受けたようです。 通常はインターネットがどこで通信しているのか気になりませんが、意外に海底ケーブルがほとんどの通信を担っています。 イメージ的に衛星通信でやっているように思えますが、海底ケーブルの1000分の1しか容量は無いそうです。 また、静止衛星では、通信時間遅れがあるので、更に容量は減ります。



静止衛星は、36000kmも地球から離れていて、遥か彼方と言う感じで、わずか3個の衛星で全地球をカバーできるレベルです。 片や例えばスペースシャトルで運ぶ有人衛星などはもっと地球に近くて、数00km程度のものが多いと思います。 これですと何とか地点の上空と言う航空機感覚ですね。 最初のころの有人衛星でこのような言葉で通信が行われていたので非常に不思議な感じがしたものですが、本当に地球に張り付いているという感じです。



一時、流行りそうだった衛星通信のケータイ電話。 イリジュウムの原始番号と同じ数の88個の衛星を打ち上げて、それで全世界をケータイでカバーすると言うアイデアで、モトローラが取り組んで、いくつかの衛星を打ち上げましたが、途中で挫折して失敗してしまいました。 88個も必要なのは、本当に100kmぐらいの上空で、手を伸ばせば届く? イメージの近さに衛星が有ったため、ケータイの電波出力程度で通信できるのです。



静止衛星と通信するためには、大きなパラボラを使わないと駄目でしょう。 007が使うようなおもちゃのようなパラボラでは無論通信できません。 また伝送遅れが大きいのでエラーがあったときの再送に時間がかかり、通信速度は向上しません。 一昔前の国際電話の音声に大きな遅れがあって、非常に使いづらい経験があると思います。



衛星と言えば、中国の人工衛星破壊実験で、大量の宇宙ごみ(スペースデブリと言うらしい)が発生して大問題になっているようです。 それでなくても過去に打ち上げた衛星の破片が大量に地球の周りに散らばっているとの事。 ちなみにNASAに寄ると、直径10cm異常のものが1万個、10cm以下のものが数千万個飛んでいるとの事です。 これに今回の中国の実験で、1mm以上のものが200万個は発生したとのことです。



デブリは高速で飛んでおり、衛星にぶつかると大きな損傷を与え、有人の船外活動にも危険が高まります。 さらに大きな問題は、デブリは長時間宇宙に留まり、1000kmの軌道でも2000年の寿命があるとの事です。 今後は、衛星から破片などのごみを極力出さないこと、不要になった衛星は、寿命が来てコントロール不能になる直前に、低い軌道に移動されるとかの対策が必要になります。 衛星も廃棄物処理をしないといけないと言う訳です。



今月の読み物は、マネーロンダリング入門―国際金融詐欺からテロ資金まで (幻冬社新書) 橘 玲著 \720。カシオ事件、ライブドア事件の詳細、北朝鮮の資金凍結などが詳しく分かる。 込み入っているので、少し気合を入れないと分かりにくい点もありますが、図式入りで理解しやすい。 何でアメリカが中国のマカオの銀行の口座を凍結できたのか? 一体北朝鮮は何に困っているのか? この辺が明らかになります。 ライブドアのマネロンの仕組みを一体誰が考えたのか? 何故検察は急に興味をなくして村上ファンドに向かったのか? 一気に解決です。 フリーメーソンも出てくるし、下手な小説よりも面白い。 現時点ではアマゾンでは売り切れになっています。



マネーロンダリング(資金洗浄)とは、テロ資金や麻薬・武器密売・人身売買などの犯罪で得た収益を、海外の複数の金融機関を使って隠匿する行為をいう。本書ではカシオ詐欺事件、五菱会事件、ライブドア事件などの具体的な事例をもとに、初心者にもマネロンの現場が体験できるよう案内した。専門知識はなにひとつ必要ない。グローバル化、大衆化したマネロンによって、いまや世界の仕組みが変わりつつあることを読者は知るだろう。 (書評より)









今月のひとこと2007年1月号 あけましておめでとうございます


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2007年1月1日

2007年明けまして、おめでとうございます。

昨年も年明けからライブドアとか、村上ファンドとかで大荒れの1年でした。 株価も冴えずに、デイトレ組も悪戦苦闘しているようです。 TVの街角取材でも、身動き取れませんわ、と言うコメントがありました。 ITの分野では、デジタル放送がフラットTVの浸透で、進展した感じがあります。 M社さんのアメリカでの40インチ999ドルの衝撃もさる事ながら、価格低下が革命的に進んだ1年でした。

2007年問題と言うか、問題ではなくてベビーブーマーの定年が本格化するのも今年でしょう。 60歳の還暦と言うと、干支は丁亥(ひのとい)、甲子から数えて六十干支の24番目です。 還暦の祝いは正月にやるものらしいですね。 だから赤いちゃんちゃんこを着るのだそうです。 確かに夏にやると暑くてしょうがないと思います。 いずれにしても、良いも悪いも世の中を引っ張ってきたのがベビーブーマーですから、何もしなくても、影響は出てくると思います。 225万人も居るそうです。

恒例の2007年の年間予測ですが、最近はドッグイヤーの速度が少し落ちてきたみたいで、Web2.0ぐらいしか大きな動きはありません。 Web2.0も、各々の動きが小さいので、まとめて表現したと言っても良いでしょう。 PS3とWiiが話題を集めていますが、物凄いうねりかと言うとそうでもなさそうです。 いい気なうねりは、以前から言っているのですが、デジタル放送の影響が大きいと思います。

PC関連の全ての技術が、MP3に代表されるオーディオつまりCDデータに対応でき、その次はTVの通常放送レベルのビデオつまりDVDデータが対応できるようになりました。 やっと追いついたと思ったら、今度はハイビジョンでTV映像が進化するという感じで、なかなか追いつけません。

通信速度、記憶容量、処理速度が、従来型のTVにやっと追いついたのですが、ハイビジョンさらにはフルハイビジョンはまだまだ先となります。 DVDがやっと追いついたところでしょう。 通信速度は、WANが100Mbps、一部で1Gbpsになりましたが、CPUとOSの処理速度で実質100M程度になるでしょう。 実質その速度が出れば、ハイビジョンはOK。 LANも1Gbpsは標準になりましたし、無線LANもチャンネルを束ねる事で100Mbpsが可能になっています。 LANやUSBでは、やはり実質1Gbps程度が欲しいところです。

記憶容量は、DVDがHDとブルーレイが出て来て、更には両方同時に再生できるものが出てくるようで、まだまだ発展途上です。 ディスクは、容量アップがストップしているようですが、1Tバイト程度は割と簡単に入手できるようになりました。 これからは、垂直磁化方式のものがいよいよ出てくるのではないでしょうか。 20年以上に渡って長年、真打と言われて来たのですが、なかなかその出番がありませんでした。 インタフェースもSATAを更に改良したものになって行くのではないでしょうか。 一段の速度向上が必要になります。

CPUの処理速度も、だんだん頭打ちになってきました。 1996年のCOMDEXのキーノートのアンディグローブの予言、2011年には10GHzのクロックで100KMips、10億トランジスタ。 当時は夢物語と思っていましたが、途中でその通りになってきているのが分かって、今ではこの予言が実現されるのは確実と思っています。 クロックアップはもっぱら配線ルールの微細化とパワーアップに寄るものと思いますが、最近では一つのダイに、2つとか4つとかのCPUを乗せる手法が盛んになってきました。

20年近く前に、デスクトップタイプとしては世界で始めての4CPUのワークステーション、LUNA/88kを作ったことを思い出します。 バスの設計もいい加減だったのですが、Machと言うOSのおかげで、そこそこマルチCPUで動作しました。 あまりにも小さく作ったので、電源に弱点が出てしまいました。 このプラットフォームの上で、当時の標準のウインドウシステムであり、初めてマルチCPUをサポートしたX11/R6が動作していました。 と言うより開発マシンとして使用されていました。

ITのうちインターネットは、ほぼ完全に社会インフラとして定着し、次はNGN(次世代ネットワーク)と言うように、インターネットの改良に向くでしょう。 進歩があるのはハードウエアで、これは性能価格比向上しか目標が無いので、これがハイビジョンを切っ掛けに一段と進展するでしょう。

今月、今年の読物は、1年前を思い出して、ヒルズ黙示録・最終章 (新書) 大鹿 靖明 (著) ¥777税込 です。 安いので読み飛ばしてください。 SONYの買収とか、阪神と京阪の合併とかが出てきます。 バブル崩壊で株価総額が安くなった時は、冗談で株価総額の安いところを探しては、株主構成を調べて、海外株主の多いところを買収ファンドを組んで買収しようかと、いろいろ議論したことがあります。 我々のターゲットとなった某社は、その後の選択と集中方針で、我々が想定したとおりのリストラを行い、まあ誰が経営をやっても同じだとおもいました。 当時、今でもそうかもしれませんが、同じ事を考えた、もしくは考えている人間は沢山居ると思います。 2000年のITバブル崩壊の後は、これからTOBの時代が始まると感じました。 その後は少しは歩みがのろいものの、その通りになっていると思います。

この本を読んでも、あの逮捕は一体なんだったんだろうと思います。 検察の見込みがことごとく外れたと言う事でしょう。 3月の人事異動に合わせて操作したと言うのは、共通の見方になっています。 あれだけのメールを全部押さえて何も出てこないのはおかしいでしょう。 私のメールを全部押さえられたら、私は隠すものは何も無くなります。 大事なものほどメールに残しますから。 しかし、法的に問題のあるものは、絶対に残しませんけどね。

出版社 / 著者からの内容紹介
 村上ファンド総帥の村上彰世被告は、はたして「稀代のペテン師」なのか、早すぎた改革者なのか。堀江、村上両被告の裁判が佳境になるなか、焦点の村上被告が逮捕直前まで進めていた仰天構想を暴き、疑惑の真相、検察との暗闘の核心に迫る本格ノンフィクション。筆者は「AERA」で経済分野の特ダネ連発の一線記者だ。新潮や講談社ノンフィクション賞候補になった前著『ヒルズ黙示録』の野心的完結編。 「BOOK」データベースより。




今月のひとこと2006年12月号

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12月4日

ぽかぽかと暖かい日が続いたと思ったら、一気に冬になりました。 政治の世界も、また逆戻りの印象で、せっかくぶっ壊した旧体制は、どうなるのでしょう。 小沢さんも賞味期限切れと言われて、ここで魅力ある人が出てくれば一気に世の中も変わっていくと思いますが、如何でしょう。 経済も、いざなぎ越えと言う割にはすっきりせずに、株価も行ったり来たりの様相です。 リスクをかぶって得た利益への課税が元本保障の普通預金と同じ20%では、株価はキッチリ10%下がりますよね。 これから年末を迎えて、損切りの出来ていない含み損の株式は、損切りして、赤字を計上しておくとしましょう。 来年儲けが出たら、多少は助かるでしょう。



TVの世界では、フルハイビジョンと言う様なハイスペックなものだけではなくて、ワンセグをPCで見るUSBチューナーが大流行という事です。 やはりモーバイルでTVを見たいと言うニーズは沢山あって、ケータイでワンセグを見るのも、その一部なんですが、TVの見えるケータイは高い。 また、バッテリがすぐなくなる。 画面が小さい。 と不満だらけ。 そこで出て来たのが、PCで見るワンセグ。 量販店では在庫切れが続出しているそうです。



裏だらけのソフトバンク想定外割よりはるかにゼロ円の、ケータイが売り出されています。 基本的には無線LAN端末で、それにSkypeを仕込んだもの。 ソニーも年末には端末を出荷するようです。 基本的にはSkype同士は無料。 その他の電話でも割安の電話より数分の1で通話が出来ます。 近い将来には、繁華街では無線LANによる通話がどこでも出来るようになるでしょう。 ハンバーガー大手とかが、店舗の付加価値の向上で無線LANを設置している所が多くて、ここなら、ほぼ完全無料の通話が可能になります。



ソフトバンクにはこう言うことをやって欲しかったのですが、既成の電話会社を買収したためか、はたまた電話の事業というのは、インフラの敷詰めが想定以上に必要なのか、この辺は良く分かりませんが、やる事が少し違うんではないかと思います。



固定電話離れの加速はとどまる事を知りません。 以前にマイラインと言うモノがあって、これに日本中が巻き込まれる事がありましたが、これは日本全体の損失だと思いました。 当時からIP電話が取って代わるだろうと思っていましたが、これくらい早くその時期がやってくるとは思いませんでした。 マイラインの時は、売り込みに来るセールスマンに、これからIP電話の時代が来るので、無駄な事は止めたら? とおせっかいな説得をしていました。



固定電話の世界でも、IP電話化は着々と進んでいて、既に事務所で使うようなビジネスフォンのセットが売り出されています。 遠からず事務所の中の通常の固定電話に見えるものも、LAN端末のIP電話になっていることでしょう。 現時点でも15000円ぐらい、安いのだと1万円を切る値段で売り出されていて、LANケーブルで給電も行えば、LANケーブルだけで電話出来る様になります。



この10月から法律が改正になって解禁になったPLC(パワーライン通信)は、電灯線を使って高速の通信を行うものです。 まあ通信手段としては、無線もあるわけで、特に便利になるわけではありません。 むしろみんなが狙っているのは家電に組み込んで、ACを繋ぐだけで全ての家電が通信できるようになる、と言うようなものでしょう。 インターネットが始まったころに、コーヒーポットにもインターネットが繋がる、と言う様な事がインパクトのある話題として良く紹介されましたが、今後はそんな風になっていくのかもしれません。 しかし、普通のコーヒーポッドが何万円もするのでは興醒めとなります。





今月の読み物は、「もしも月がなかったら―ありえたかもしれない地球への10の旅」ニール・F. カミンズ著, Neil F. Comins原著, 増田 まもる翻訳, 竹内 均監修 ¥2,310(税込)。



少し硬いし、最初の方の月が無かったらの所が少しうるさい。 少し読み飛ばして、地球が小さかったらとか、地軸がもっと傾いていたら、とかの方が面白いです。 仮定の話ばかりで、本当にこうなるのか実際はもっといろんなことが起きると思いますが、知的なパズルみたいな感覚で読むと面白いと思います。 読んで思うのは、地球とかそこで進化した人間というのは本当に奇跡的に出来たもので、物凄い偶然が重なって出来ていると思います。 良く宇宙に太陽に似た星が何千億もあって、その中で地球と同じものが確率的に低くても沢山あるはず、と言う議論がありますが、この確率はほとんどゼロに近いほどの奇跡的な確率ではないでしょうか。 少なくとも、生物学的に種族として生存できる時間内に他の種族が存在する事は無いのでしょう。



もしも月がなかったら?…月のない地球は、自転速度が地球よりずっと速く、1日は8時間となる。強風が絶えず荒れ狂い、高山も存在せず、生命の進化も遅い。もしも月が地球にもっと近かったら?…月がもっと地球に近いところにあると、公転周期が短くなり、日食や月食がひんぱんに起こる。近い月は宇宙から降り注ぐ隕石から地球を守る絶好の盾となる。また潮の干満差が激しく、地震も頻発する。もしも地球の質量がもっと小さかったら?…地球が小さくなると、内部のマグマが減り、地殻が厚くなって大陸移動は起こりにくくなり、地震・火山活動の頻度が極端に小さくなる。酸素が少ないため、小型動物は生存しにくく、人類は肺を大きくするため、背を高くし胸を厚くするだろう…。その他、「地球の地軸が90度傾いていたら?」「太陽の質量がもっと大きかったら?」「地球の近くで恒星が爆発したら?」「恒星が太陽系のそばを通過したら?」「ブラックホールが地球を通り抜けたら?」「可視光線以外の電滋波が見えたら?」「オゾン層が破壊されたら?」まで、さまざまな「ありえたかもしれない地球」への旅をたどるシミュレーション・ロマン。 「BOOK」データベースより











今月のひとこと2006年11月号


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11月4日
株価は連休前に落ちて、連休明けが見ものですね。 日経平均は上がっているのですが、小型株がまだまだ出遅れで、一向に動く気配がありません。 SBIホールディングスの北尾社長にもキナ臭い話が出ていて、まだまだ昨年の一種のIT小型バブルの決着は着いていないようです。

ソフトバンクの孫さんがまたまたやってくれました。 お得意のゼロ円の衝撃とその後の混乱。 最初はわざとやっているんでは無いかと思ったんですが、そうでもなさそう。 「誰が世界で一番安いインターネット接続を実現したのか?」といつも言っています。 確かにYahooBBでは衝撃的な安さで他社がそれに追従して、結果的には世界で最もインターネットの進んだ国になりました。 10年前ならインターネットの最先端のアプリケーションは米国の展示会とかセミナーに一生懸命に行ったものでしたが、最近ではインターネットの最もクールなところは日本です。 光ファイバーがこれだけ普及している国もありません。 10数年前に光ファイバーを各家庭に引くには20兆円以上のお金がかかる、これをどのようにして調達するか、と言う議論がありましたが、隔世の感があります。

知らない間に価値が無くなってしまった電話債券。 逆に考えると当時はあれだけのお金を払ってでも電話を利用したいと言うニーズがあったんですね。 現在の価値に直すと、何十万円にもなるでしょう。 しかし最近では何万円もかかるような光ファイバーには誰も手を出さずに、定価表には2万円とか書いてあっても、何とかサービスでタダになるような仕掛けになっています。

前述のソフトバンクのケータイですが、基本的にはゼロ円プラス基本料金は良いとしても、夜間の9時から12時までの通話に制限をかけているのは解せません。 どうせ当分は回線がガラガラでしょうから、使いたいだけ使ってもらったら良いのではないでしょうか。 どうもソフトバンクの内部で、そう言う実務派の人と孫さんみたいな、それ行け派とのすれ違いがあったのでは、無いでしょうか。

使う帯域つまりデータ容量で言うと、有線は無限、無線は有限、と思っていましたが、無線の世界も技術進歩が早くて、無線も実質的には無限の帯域があると思ってよいのではないでしょうか。 孫さんの言う、世界で最も安いケータイ料金を実現して欲しいものです。 しばらくは混乱を眺めていようかと思います。 YahooBBの時でも混乱はしばらく続きましたから。

核論議が盛んになりました。 議論はどんどんやるべきで、頭から考えもしないのは民主主義の基本に反します。 世界第2の経済を誇る日本は既に核を持っていると感じている人が多いそうです。 技術的にも資源的(プルトニュームが捨てるほどある)にも可能性はきわめて高いようです。 誰かがその気になれば3ヶ月で出来る、と言っていましたが、それは無理としても、3年あれば何とかなると思います。

持てるが持たないと言うのが最も良い態度だと思います。 現実的に例えば日米同盟を考えてみても核保有は無理でしょう。 しかし、北朝鮮の核実験のあとすぐにライス国務長官が飛んできて、アメリカの核の傘の再確認をしていきました。 彼らにしてはこれが最も言いたいことでしょう。

雑誌を読んでいたら、核保有をに匂わせる>> 中国はこれが最も危険と思っているので>> 北朝鮮に核廃棄を促す、と言うようなシナリオが書いてありましたが、もっと外交カードとして使ったら良いのにと思います。

このような中で、中国はちゃっかりと、中国-アフリカ サミットを先週に開いて、中国がアフリカを支援すると言う外交イベントを開きました。 日本では例の鈴木宗男騒ぎでアフリカとの連携は切れてしまったように思います。 北朝鮮に気を取られているうちに、流石に中国は着々と手を打っています。 拉致とか軍備や核保有を言う間にもっと外交的にやることは多いと思います。 ちなみにアフリカは「非」と表現します。




今月の読み物は、経済モノです。 超整理法で有名な野口悠紀雄さんは元々経済学者。 この人の本はとても読みやすいです。 今回は先延ばしになっている消費税の話と金融工学の話。

知っているようで知らない消費税―「超」税金学講座 (文庫) 野口 悠紀雄 ¥540税込

何となく分かっているようで突き詰めると分からなくなる消費税。 いったい益税とは何故生じるのか、これから消費税率を単に5%から上げるだけで万事収まるのか、と言う疑問に答えます。 従来の消費税の考え方は、どんどん積んで行く考え方で、100円で仕入れたら105円の仕入れになり、売る時は200円で売るのなら、210円で売る、見たいな考え方ですが、ここに示されているのは、210円で売ったら、10円のうち5年は仕入先に、残りの5円を自分で税務署に払うと言う考え方で、非常に分かりやすい。 応用する時も応用が利きます。 また、消費税率を上げるなら、インボイス方式にしないと益税が発生してそれを補足出来ない。 従って消費税アップを望む小売業者も存在する、と言うような話になっています。 給与所得者の源泉徴収は、単に徴税の手間を省くだけとおもっていましたが、このような観点では、給与支払いのインボイスであると見れば、サラリーマンの税金が何故ガラス張りになっているのか、やっと分かりました。 反面、消費税と言うか、売上げに関してはガラス張りでは無いと言うことで、脱税が横行する原因になっていると言うことです。
内容(「BOOK」データベースより)
迫り来る大増税時代を前に、我が国の税制について考えたことがおありだろうか?たとえば消費税の仕組みとは?その構造的な欠陥とは?構造改革が叫ばれながら、改革らしい改革が行われず、税制改革を主導すべき基本理念さえ明確でない日本の現実。現状では企業のIT化にも対応できない。経済を活性化させる、あるべき税制改革構想を、当代切っての論客が説く。

金融工学、こんなに面白い (新書) 野口 悠紀雄 ¥725税込

もう一つの金融工学の本は、題名だけで敬遠する方も居られると思いますが、中身は非常に分かりやすい。 物凄い高等数学を使わないと分からないと思われているデリバティブ金融商品が簡単に分かります。 経済学とは何? 投資手法と経済学の関連は? などいつも漠然と疑問に思っていることが良くわかるようになります。

金融工学とは、文字通り金融の振る舞いを工学的アプローチによって解明する学問であり、情報科学とともに金融業界の活性化と新生の基礎を築くものとして、期待がされている分野だ。一方、新時代に向かう経済のなかで中核的役割を担うとされながら、高度な金融理論や数学理論に立脚していることから「敷居が高く、近寄りがたい」という声が上がっていることも事実だろう。本書は、難解な用語や数式を極力排除し、実際の金融界におけるエピソードや「ヴェニスの商人」「エデンの東」など、一般の人にも馴染みの深い文学作品や映画を例にとりながら、金融工学の本質をわかりやすく説いた入門書である。株価予想の可能性やリスクとリターンの関係など、金融構造の基本から、リスクヘッジの思想や方法を提示。さらに、1970年代に脚光を浴びつつ、すでに「終わった理論」とされてきた「ベータ投資理論」を、マーケット・リスクへの立体的な評価の側面から再評価している。また先物取引やオプションなどに関しても、発生の歴史からその構造が詳しく述べられており、現代のファイナンシャル理論を概観する手助けとなるだろう。さらにIT革命のなかで、経済をいかにとらえるかというテーマにも取り組み、「実社会へのアウトプット」という立場から金融における「工学」的視点の確立を訴える本書は、「株で儲けよう」といったたぐいの実用書的なハデさはないが、より本質的に時代をとらえる一助となるだろう。(太田利之) 書評より




今月のひとこと2006年10月号





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10月3日
10月号も遅くなってしまいました。 やっと涼しくなってきてやれやれです。 歳とともに暑さ寒さがが身にしみます。 株価も16000円を上限に行ったり来たりです。 アメリカの景気も危ないと言われながら、株価は史上最高値に近くなったりします。 原油はサスガに下がって来ましたが、日本及び英・蘭企業が出資するロシアのサハリン2プロジェクトが急遽キャンセルされるなど、不安要素がまだまだ沢山あります。 中国、北朝鮮、韓国問題でかすんでいるロシアも良く見ておかないと、先日のような北方領土で起きた銃撃事件などは、もっとキチンと対応しておかないといけないと思います。 北朝鮮のミサイル発射で見せた対応が何で出来なかったのか、やはり事前に米国の情報がないと動けないのか、と思います。

日本は既に核を持っている、と思っている国が多いと言う事を聞いた事があります。 核査察を行うIAEAの予算の20%が日本の査察に使われているとの事(よく調べると20%を拠出していると言うことだと思う)。 日本人はともかく、世界の人は日本人がその気になれば、すぐに核兵器を作れると思っているのです。 ミサイルに化けるロケットは固体燃料のものも液体燃料のももあるし、ヨーイドンで始めたら、北朝鮮よりはるかに早く核武装出来るでしょう。 核で脅してくる国に対しては、いざとなったらいつでも準備出来る、と思わせる事も必要でしょう。

そんな物騒な話はこれまでにして、最近見つけてハマった本。 「昆虫-驚異の微小脳」中公新書 水波 誠著 882。 地球上でもっとも成功した生物は人間と昆虫です。 人間は大きくなって、その分肺とか血液とか複雑な循環系を発明し、物凄く大きな脳を持ちました。 おかげでこの地球で60億以上の人口へと成長し、地球の環境自体も変化させようとしています。 他方の昆虫は大きくなる事をアキラメて数と言うか種としての成功を目指して成功しました。 はるか昔には同じ先祖から分かれたのですが、ほとんどの機能がそれぞれの目的に最適になって、例えば目だけでも全く異なる結果となった訳です。

昆虫はまず、外骨格のクチクラと言うものを発明し、これで体を覆う事で、体液の蒸発を防ぎ、体を支えることに成功しました。 またややこしい肺などの循環系は省略して、直接細胞に酸素を与える気管を採用しました。 これらは全て大きくなる事を放棄した成果です。 また小さいために多少ぶつかっても、飛んでいるときに落ちてもたいしたダメージにはならないのです。

ただ生まれてからの成長は必要ですので、さなぎから変態したり、脱皮をしたりします。 しかし、これは苦肉の策で大変なリスクを伴うものです。 良くこの段階で失敗して死んでしまう事も多く、昆虫の設計の中でもっとも弱い点であります。 これは外骨格を採用した事へのリスクとなっていて、完全に覆ってしまって、その上でさらに酸素を摂取すると言う矛盾した設計をしなければならなかった訳です。

「昆虫-驚異の微小脳」は特に昆虫の非常に小さな脳に着目し、この小さな脳が驚くべき情報処理を行っている事を示します。 あの小さな脳で、すばやい飛翔と動きを実現しているのですからビックリします。 今ハヤリのロボットには全くマネが出来ません。 まず蚊のように小さく作る事、それを飛ばす事、当然に姿勢制御をキチンと(しかし大体で)行う事、餌を探す事、それを学習する事。 これをあの大きさで実現している事は、人間の技術も大したことがないと言う事でしょう。 また、昆虫に学ぶ事も多いでしょう。

昆虫の情報処理は一口で言って分散処理になっているみたいです。 複眼や感覚器でフィルタリングして結果だけを脳に送って、脳はニューロコンピュータみたいに(と言うかそのもの)高速でリアルタイム処理を行うのです。 だからあのようなアクロバット飛行が可能になるのです。 ただ処理が完全ではないので、たまにはアチコチぶつかったりするのですが、あんまりダメージにはなりません。

それにしても、あの小さな脳で、我々の最高レベルのロボットを遥かに凌ぐ性能を発揮しています。 完全な自律系で、しかもエネルギーまで自分で探して摂取して、さらに子孫まで残して、その段階で進化をしていくわけですから、全く実現のレベルが異なると言っても良いでしょう。 なんで人間の脳がこんなに大きなのかは、外界地図を作るためではないか、生存のための学習ももっと複雑になるのではないか、と言うのが本書の論点。


小型、軽量、低コスト。1立方ミリメートルにも満たない昆虫たちの小さな脳こそ、情報処理装置の傑作なのだ! 本能行動の神秘に迫る最新生物学の成果を公開。昆虫の繁栄の秘密について、その行動と脳に焦点を当てて解説する。

 6億年以上も前にわれわれと共通の祖先動物から枝分かれしたのちに地球のすみずみにまで適応し、大繁栄をとげている昆虫。昆虫のユニークな姿、形、行動は今や子供だけでなく、大人をもとりこにしている。ところが、昆虫の多様な行動をうみだすのが、たかだか1ミリ四方しかない小さな白い脳だといわれると驚かれるであろう。本書は“微小脳”の名付け親による昆虫の神経行動学の入門書である。
 ファーブルが昆虫記を世に送り出して100年、フリッシュがミツバチのダンスコミュニケーションを発見して50年、今や神経行動学のメスは高次行動をつかさどる微小脳の機能解明へと入りつつある。昆虫が哺乳類にも似た認知能力をもつことが次々と明らかにされ、動物共通の神経原理を追求するのに格好のモデルとなりえることが示される一方で、微小脳の構造は複雑で、一筋縄でいかない部分も垣間みえる。本書ではバッタの飛翔のようにそのしくみを単一神経細胞のレベルで理解できる行動から、ゴキブリの場所学習、ミツバチやチョウの視覚認知に至るまで研究のトレンドが余すことなく解説される。日本の神経行動学者の奮闘ぶりをみて頂きたい。
 ポケットブックにしては図が多く、キーワードやキーフレーズが太字で示されていることから、流し読みでも十分楽しめる。また、たとえ話、こぼれ話が満載で、科学読み物としても楽しい。本書は高校生物程度の知識があれば十分に楽しめる内容となっているが、とくに動物行動のしくみに興味のある方、将来神経科学者を志す大学生に一読を薦めたい。読み終える頃には昆虫もわれわれと同じ“地球のなかまたち”として親近感を覚えるのか、それともその卓越した能力に怖れを抱くのか、読者自身で感じとって頂きたい。【書評より】
 





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今月のひとこと2006年9月号





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9月5日
とうとう冥王星が惑星ではなくなりました。 確かに天文学的には、変な軌道を描いているし、月よりも小さいし、どう見ても変な惑星でしたが、遠くにあるのでしょうがないかと言うところだったのですが、他にもっと大きなものが見つかって、とうとう格下げになりました。 それにしても名前が良かったですね。 一番遠くに有って冥王とはよく付けたものです。

火星の運河の予測で有名なパーシバル・ローウェル20世紀初頭に、天王星と海王星の軌道のずれから、未知の惑星があると予測してから、探索が始まりました。 その後、探索はトンボーに引き継がれて、トンボー天体写真を別々に日に2枚撮って、それを比較すると言う方法で、ローウェルの予測した場所に、1年もしないうちに冥王星を発見したのでした。 惑星はわずかに動いていて、背景の恒星は動かないので写真を比較すると判定できるのです。 しかし発見された冥王星は小さすぎてローウェルが予測したような軌道のズレを生じさせないと言う事が分かりました。 私も、ローウェルの逸話を何となく知っていたので、冥王星はさぞかし大きな天体だろうと言う印象をずっと持っていました。 結局ローウェルの計算は間違っていて、トンボーが発見したのは偶然だったと言う事が分かっています。 他にも似たような天体は沢山あるので、他の天体が見つかっていても、それが冥王星だと言う事になったのでしょう。

地球の月は、はるかに大きなもので、私はこの月が絶妙の大きさで絶妙の距離にあることが、生命体それも高等生命が誕生する原因になったのでは、と思っています。 大きな月のおかげで大きな潮の満ち引きがあり、これが生命の進化を促す事になったのでは無いでしょうか? また、日食で示されるように、太陽と月の見かけの大きさがほとんど等しいと言う事は、いろんな意味で特殊ではなかろうか、と思います。 いわば地球は選ばれた惑星だ思います。 ほとんど見かけの大きさが同じなのは、少し月が近くて小さく見えると、日食は金環食になって、周りの太陽がはみ出て見えるのです。 同じく遠いと完全な日食になります。 ちなみに次回の金環食は、2009年1月26日に東南アジアで見えるものです

冥王星の降格で笑ってしまったのは占星術。 記者から聞かれて、冥王星の影響は徐々に弱まっていきます、とは笑ってしまった。 冥王星の発見以前の占星術はどうなっていたんでしょうね? 占星術ではないのですが、以前は惑星直列で何かが起きるとかで、本当は惑星の重力の影響なんかはほとんど影響が無いのですが。 月とか太陽の影響がほとんどです。 あれだけの海水が持ち上げられるんですから。

ちなみに、月に面した部分の海水が持ち上がるのは分かるのですが、その反対側の海水も持ち上がるのは、イマイチ良く分かりませんでしたが、これは高校の物理で習った潮汐力というもので、重力による軌道上の速度が距離によって変化しますが、地球のような大きさがあるものでは、全体が一体で動きますから、軌道の両側に引っ張る力が働くのです。 非常に大きな重力を持つ中性子星やブラックホールの周りでは、潮汐力が働いて、近づくと引き離す力が働いてバラバラになってしまうと言うSFが良く有ります。

8月のもう一つの話題はデルのノート型パソコンのソニー製バッテリのリコール問題でしょう。 410万個のバッテリをリコールし、これに必要なコストは200億円とも400億円とも言われています。 デルとソニーがどのようにこれを負担していくのか注目されるところです。 特にデルは業績も悪化しており、今後目を離せません。 更にアップルも180万個のソニー製のバッテリのリコールを発表し、大規模ではないものの問題は文字通りくすぶり続けています。 基本的な問題はバッテリの製造中に金属片が混入したとの事で、出荷時の検査にも引っかからず、動作時にもシャットダウンせず、発火すると言うのは、何十億個も作っているといくつかはあっても不思議ではないでしょう。 死に至る事故はまだおきていないのですが、今年の6月のデル製のパソコンの爆発事故とは大きく報道されました。

いずれにしても、充電されたバッテリはエネルギーの塊ですから、危険と言えば物凄く危険と思います。 いつもノートパソコンが熱くなるので、このエネルギーが一度に発生したら爆発するなー、といつも思っています。 これに根本的な解決を与えるのが燃料電池です。 燃料電池は電気を貯めているのではなくて、必要に応じて発電するので、安全だと思います。 発電の元の燃料はアルコールや水素のように、多少は危険ですが、すぐに爆発するものではないでしょう。 いずれにしても、ガソリンやLPGのようにエネルギーを取り出せるような、活性のものは、多かれ少なかれ危険だと言う事です。

今月の読み物は、冥王星の本は良く知りませんが、重力の話が出てきたので、インテグラルツリー。 ラリイ・ニーヴン著 小隅 黎訳 504 早川書房 文庫/387p 1986.11発行。 どうも現状では入手が出来ないようです。 古本屋さんで見かけたら入手ください。 非常に強い重力を持つ天体の周りに空気があって、しかも衛星軌道上を回る事が出来たとして、潮汐力によって軌道と直角方向に伸びた樹木の上で暮らす人々の話です。 樹木の上下は風を切りますから、上下に生えた 葉っぱは反対側に風に押し流されて、全体に積分のインテグラル(∫)の形をしています。真ん中は重力ゼロで、上や下に行くとその方向に潮汐力で、重力が発生するのです。 この発想がなかなか面白い。 ラリイ・ニーブンのSFには、空中に浮いた話が多くあります。 有名なのはリングワールド。 地球の軌道ぐらいの大きさにリング状の構造物の上でいろんなことが起きます。 昼夜を作るためのスクリーンを張るとか、その支えのロープの強度とか、リング状の構造物の強度とか、下に穴を開けて飛び出すだけで宇宙に出れるとか、着陸するためにはリングと同じ速度に合わせないといけないとか、リング物理学も生まれました。 他に悪魔のハンマーとか、私好みのハードSFです。 ニーブンを読んで一時重力を忘れてみませんか。

中性子星ヴォイの周囲をめぐる直径数万キロの濃密な大気の輪〈スモーク・リング〉は、奇怪な動植物にあふれた、自由落下状態の楽園だった。なかを漂う巨大な積分記号形の樹“インテグラル・ツリー”では、地球からやってきた播種ラム・シップの乗員の末裔たちが、牧歌的な暮らしを営んでいる。だかそのクィン一族に、いま飢饉の恐怖が忍びよろうとしていた。新たな食料を見つけて一族を救うべく、壮大な旅に出た若者たちが遭遇したものは?ハードSFの巨匠が『リングワールド』にまさるとも劣らぬ魅力的でカラフルな世界をみごとに創造し、ファンを熱狂させた最新SF!ローカス賞受賞。